球式機器の幾つかの部品達      輸入部品を使いたい場合  配線材料は?

最近の半導体を使った複雑な回路構成の無線機と違って昔の球式機器は図体が大きくなるのは止むを得ないですが回路が分かり易く故障しても修理し易いです。
しかし既に何十年も経過した球式無線機を入手しても修復するのにオリジナルの部品は勿論 代替品も手に入れ難い時代です。
そこで手持ちの部品達の中から新規に球式機器を組む為の幾つかの部品を写真付きでお見せしましょう。 代替品が多いですが。
ずっとご覧になると恐らくお解かりになると思いますが 結局 コイルの代替品が一種類しかありません。短波帯のコイルは簡単に巻けますが中波ラジオ用のコイルとIFTはどうしようもありません。代替品は無い事はなく 個人輸入で何とか凌ぐしかありません。 コンデンサはバリコン以外は殆ど何とかなりますが。  尚 幾つかの部品類は既に手元には無いものがあります。ご希望の方にお譲りしました。
左の画像は二枚の両面銅箔張りの生基板
300mmX500mmX1.6tのガラエポ基板です。
パナソニック電工、FR-4  1.6t 銅箔18u/18u 。
右の画像は機構金具の幾つかです。
向こう側の三角構造のものはパネルとシャーシを正確に直角を出しながら組み立てる構造物に使っています。
これはいわゆる棚板を壁などに固定する金具です。
手前左の三角の板は普通の三角パネルです。
その右の物がパネルのハンドルです。
これ等はいずれもメカ部品と称する構造物です。
これ等を組み合わせた構造の物の例を次の画像で示します。
アルミのパネル両面銅箔の生基板を三角パネル代わりの金具で正確に固定した状況です。


この例ではコリンズのPTOと簡単な歯車を組み合わせたメカとしてVFOを構成しています。
コリンズ仕様のPTOですから球式機器には勿体無いくらいの安定度があります。
発振周波数はR-390Aですから3455KHZ〜2455KHzです。

次にある三枚の画像はメカ部品を応用した構造物の例です。

TS-520のダイアルメカと二種類のフレキシブルカップりングを組み合わせて米国製のバリコンを駆動する構造物です。



直ぐ上の画像のメカの正面側です。

6対1位の減速比のバーニヤー機構を使ってPTOの回転をしやすくしています。

普通の五球スーパーではいわゆるIFTが必要ですが現在ではなかなか入手困難です。
それを解決する方法の一つです。
すなわち 220uHのRFCと470pFのディップマイカで約470kC/Sに同調する事が分かっています。

実際に組んだラジオが右の画像にあるユニットです。
バリコンは国産のトランシーバーのロード調節用だったもの、ダイアルはTS-520の物です。
コイル類は全部シャーシ内にあります。
パネルとシャーシは生基板、固定方法は棚を壁に固定する金具。
左側の色々な部品は 左上から米国製の三連バリコンで軸径が結構大きくカップリングも個人輸入しました。
左下の丸い金属円板はその時に付属していたプーリです。

白い円板は水道用品で上手に加工すると自作に適したダイアルプーリとなります。
真ん中にネジ止め出来るフレキシブルカップリングの一部を使って軸受けに使っています。




米国製品を使う場合の注意点
フレキシブル異径軸カップラーを組み合わせた様子です。

3連バリコンはNC-190と言うナショナル社の短波受信機から取り外した物です。
よくご覧下さい、珍しい箇所が分る人は相当な方でしょう。
軸が取り付けてあるのが普通なら後方、手前側が普通です。
一般的なこの種のバリコンは軸の右回転で容量が減少する構造ですがこのバリコンは同じ右回転では容量が増加する構造です。
普通にコイルと組み合わせると右回転で同調周波数や発振周波数が低くなります。

又 シャーシへの取り付け方法も一寸変わっています

そして 軸の直径は公称3/8インチ、約9.53mmでこれに合うジョイント又はカップラーは国内では入手困難でしょうが彼の国に有ります、当方はSurplus Sales of Nebraskaで見つけました。価格は9ドルでした。
但し 3/8インチの反対側は矢張りと言うか当たり前と言うか1/4インチです。

これを更に国内仕様の6mmに変換し 合わせてフレキシブルカップリングするには アサ電子工業から購入したGJタイプの異径カップラーが適当です。写真で黒-橙-黒のがそれです。 

右のギヤーメカはTS-520の物です。

配線用のビニール線として。

配線用のビニール線はショップに行けば買えますが ショップへ行かなくても近所にあるハードオフで入手しています。
デスクトップコンピューターの電源に左の写真の様なビニール線が取り付けてありますので利用しています。
必要な条件としては
1.色分けしてある事
2.適当な太さである事
3.安価である事 等ですが。

電流容量が不足するならば複数本を並列にして使えば宜しいし 長さは大抵の場合 約50cm位ありますから充分でしょう。
値段は殆どタダみたいなもんですから問題外でしょう。

これらより太い或いは長い線材が必要ならそれこそDIYショップへどうぞ でしょう。